こぐま物語 ちちをたずねて 前編

母熊とはぐれ、一人森に住むこぐまのもとにある日ニュースが飛びこんできました。
北から渡ってきた白鳥さんが、
北海道で父熊を見かけたと教えてくれたのです。
父熊は こぐまがもっと幼かった頃、
シャケを採りに出かけると言って巣穴を出て、
そのまま姿を消してしまったのでした。

「おとうしゃんに逢えるかもしれない」
いてもたってもいられなくなった こぐまは、
にょろんをお供に 父探しの旅に出ることにしました。

やって来ました北海道。
手当たり次第に地元の熊に声をかけては、
父の行方を探しますが、なかなか手がかりはつかめません。
「おとうしゃん、何処にいるんだろ…」
心細くなった 二人がしょげていると、
一匹のオス熊が声をかけてきました。

「お前さん、父熊を探しているんだってな。
それなら、はな熊んとこへ行くといいよ。
きっと満足出来ると思うぜ」
やっとつかんだ情報です。
一刻も早く父に会いたいこぐまは、お礼も早々に駆け出そうとしました。
と、呼び止められる二人。

「おい、挨拶を忘れているぞ!」
ん? 挨拶? お礼が足りなかったという事でしょうか。
「あ、ごめんなさい。親切に教えてくれてアリガトウごさいました。
先を急ぐので これで失礼します」と、丁寧にお礼を言うこぐま。
「いや そうじゃなくて、クマ流挨拶のことだよ」
へ? クマ流挨拶?初耳です。
「なんだ、クマ流挨拶も知らんのか。近頃の若い熊ときたらこれだよ!
しょうがない、俺がクマの流儀ってやつを教えてやるか」
何だか良くわからないけど、クマの世界では常識のようです。
ありがたく教わっておく事にしましょう。

「いいか〜 まずは挨拶されるほうが二本足で立つ。
でもって、挨拶するほうが股間に鼻を近づけて臭いを嗅ぐ。
出会ったときに一回。別れるときにも一回やるんだ。
忘れるんじゃないぞ!」
「くんくん。分かりました、先輩。くんくんくん。
それでは これから はな熊さんに逢いに行ってきます。」

その姿を見ていた にょろん。
「熊の世界って…」と言ったきり呆気にとられ、終始無言でありました。

・・・つづきは 後編へ








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